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山梨市の全小学校が、来年度から小学校英語を「教科」に!

山梨市のWebサイトに、

「今年4月からは市内の公立小学校11校全ての学校で英語を「教科」として取り組む」

ことが発表されています。

文部科学省は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをめざして、

小学校英語を含む英語教育全体の改革を進めようとしています。

それは、小学校においては、開始年齢の低学年化と、

高学年における正式教科化の二つが柱となります。

また、全国では文科省の英語教育改革を先取りする形で、

もっと早い時期から英語教育の低年齢化や教科化を

進めている自治体も数多く見受けられます。


山梨市のこのたびの発表はこの流れに沿うもので、

発表内容を読むと、昨年の夏に山梨市教育委員会から文部科学省に対して、

「教育課程特例校」の指定を申請していたことが分かります。

これによって、市内の11校の小学校全てにおいて

2014年度から英語が正式な教科となるわけです。教科となると、まず一番大きな違いは、「成績がつく」こととなります。また、現在全国で使用されている"Hi, friends!" とは別の教科書を使用しなければならなくなります。

国(文科省)が小学校英語の正式教科化の実現で目指しているのは、

2018年度から新しい学習指導要領に基づいた教育を段階的に開始し、

2020年度から本格実施を目指しています。

これに比べれば、各自治体で進んでいるオリジナルな取り組みは

より早期の実現を果たしており、山梨市の例はそのひとつとなります。

このような流れ・動きはこれからも全国へとおおきく広がっていくことでしょう。

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山梨市からのお知らせ
http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/news/yamanashishi-gakko-eigo.html

 平成25年8月に山梨市教育委員会から申請いたしました山梨市小学校英語科教育の「教育課程特例校」の指定書及び変更承認書が、3月3日付けで文部科学大臣から書面により通知されました。
 今年4月からは市内の公立小学校11校全ての学校で英語を「教科」として取り組むこととなります。平成15年度に山梨市立岩手小学校から始まった「英語活動」は、地道な取り組みを重ね、「英語科として市内の小学校11校全てが取り組む」という新たな段階に入ります。
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2014年3月25日 カテゴリ:小学校英語活動 

関西外大の小学校英語教員養成専門コース

文部科学省は、現在全国で行われている

小学校5・6年生の英語教育(外国語活動)を、

開始年齢を引き下げ、かつ、高学年においては正式教科とする

(検定教科書を作成し、成績をつける)べく改革に取り掛かっています。

その際に最も大きな問題となり解決にも時間がかかる課題が、

教員の養成です。「誰が」「どのように」英語を教えるのか?という問題は、

外国語活動導入当初から問題とされてきましたが、

今までは学級担任とALTの組み合わせ、

もしくはそれにさらに地域の補助教員が加わることによってなんとかクリアし、

日本における小学校英語教育の実績と経験を積んできました。


しかしながら、これからの「正式教科化」と開始年齢の低年齢化に伴う人員確保を考えると、

現在のままの体制で小学校英語の発展的な進歩を期待することには

無理があります。

そこで、大学での教員養成課程において、

小学校英語教育の専門家の養成が期待されることとなってきました。


関西外国語大学は、古くから外国語教育の専門大学として

関西で実績と歴史を積み重ねてきた有名校ですが、

従前の外国語学部とは別に「英語キャリア学部」を設けて、

その中に英語キャリア学科小学校教員コースを作っています。

これはまさに、小学校における英語教育の専門家を専門的に養成する教育機関で

大きな期待が寄せられています。


この英語キャリア学科小学校教員コースで重要なポイントは、

あくまでも「小学校教員」を養成したうえで、

特に英語の指導に特化した人材を育て上げようとしている点です。

つまり、英語教育だけを目的としているのではなく、

従来通りに主要四科目に体育・芸術系科目も加えた

全領域にわたる指導力を養成することを基礎として、

その上にさらに英語教師としての専門性を上積みしようとしているのです。


大学でのカリキュラムでは、1~3年時に初等教育の理論と実践を

基礎として学ぶのと同時に、

国際的な視野を持った教員となるべく様々な教育関連科目を履修します。

そして、2年時に地元自治体との連携によるインターンシップに参加し、

さらに3年時では基本的に全員が教育実習へと出ていきます。

そして、最終学年でより実践的な指導能力と英語コミュニケーション能力に

磨きをかけて卒業となります。


関西外大では、この小学校教員コースを2013年4月に開設し、

「小学校の先生をめざすなら関西外大」というキャッチフレーズのもと、

生徒募集をし教育を開始しています。そのアピールポイントとして、


・外大では日本初。英語が使える小画工教員を本格養成。

・少人数で理論と実践を学べるカリキュラム。

・グローバルな視点、海外の言語・文化にふれながら学べる環境。

・各教科のプロフェッショナルによる充実した教育。

・小学校の先生をめざすみなさんをきめ細かにサポート。


の5つを挙げています。また、英語が使える小学校教員を養成する拠点として

ICC(インターナショナル・コミュニケーション・センター)を設けて、

施設の充実にも力を入れています。


関西外大のこのような取り組みは、実にタイムリーであり

時代の要請にそのまま答えるものと言えます。

これは、文部科学省からも高く評価され、

「2011年度文部科学省の教職課程認定大学実地視察においても、

視察を受けた45大学のうち、「特色を活かした取り組み」を特筆した

5大学のひとつに取り上げられた」とのことです。


このような専門的な教育人材養成施設・課程が

これからもより一層広がり、かつ充実していくことを心から願っています。


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関西外国語大学 英語キャリア学部・英語キャリア学科 小学校教員コース
https://www.kansaigaidai.ac.jp/contents/academics/career/elementary_main.html
https://www.kansaigaidai.ac.jp/contents/academics/career/elementary_top.html
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2014年3月24日 カテゴリ:小学校英語活動 

第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)【その3】

ベネッセ教育総合研究所が2010年に行った

「第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)」のレポート、

第三回目です。

上智大学教授吉田研作先生の解説についての引き続きレポートいたします。


解説の後半部分では、小学校英語(外国語活動)の今後の課題とまとめを

お書きになっていらっしゃいます。

課題としては、

『「外国語(英語)活動に使える予算」「ALTなどの外部協力者との打合せの時間」

「中学校との接続・連携」「教材の開発や準備のための時間」』

という4つが項目として挙げられていますが、

時間に関する二つの項目をまとめれば、

『カネと時間と小中連携』という3つにすることもできるでしょう。

これらのなかで、吉田教授がもっとも重視しているのが小中連携です。


吉田教授の著作や講演内容などでもたびたび紹介されていることですが、

「小学校で学んだことが中学校でどのように活かされるのかということを

しっかり考えないと(今までもみられてきたことではあるが)、

せっかく小学校の英語活動が楽しかったにもかかわらず、

中学校に入ると途端に英語嫌いが増える、という問題」が存在しています。

21世紀に入ってから、文部科学省によって全国的に、

かつ、本格的に計画と実践が行われてきた小学校での英語教育(外国語活動)ですが、

公立小学校においては特別な例をのぞいて

全くと言っていいほど行われてきておらず、

ほぼゼロからのスタートであったために、

小学校のみに焦点が当てられてしまうきらいがあります。

しかし、小学校において「楽しく触れ合い、

成績もつかなかった」英語が、中学に入ると同時に、

「成績を気にしなければならなくなる教科」となるために

児童たちが「幻滅」してしまって短期間のうちに一気に

英語が嫌いになってしまう、という事実がたびたび報告されてきています。


そこで、この2010年の調査においても

小中連携の実態について調査したところ、

「中学校の英語教員と集まる機会がある学校は約3割で、

中学校と連携したカリキュラムを作成している学校は約1割にすぎない」

という実にお寒い状況であり、

「小学校、中学校ともに教員は互いの連携がまだうまくいっていない、

という認識をもっている」ということが浮き彫りになった結果が出てしまっています。

これは、2014年の現在も大筋ではさほどの改善はみられていないというべきで、

古くて新しい大きな課題と言うことができます。


おわりに、吉田教授はまとめとして

学級担任の意識や指導の実態をこの調査から読みとった結果、

「この4年間でかなり「前進した」といえる」と結論付けていらっしゃいます。

また、発音に不慣れな日本人担任教師が英語を教えることに対する不安と批判に対しては、

「実は、日本人である学級担任が英語でコミュニケーションしている姿こそが、

子どもたちにとって自らも英語を学ぶ大きな刺激になっている」と指摘して、

「ネイティブ崇拝論」を退けています。

子どもたちにとっては、ALTの生の発音に触れることは意義があることではあるが、

最終的には日本人みずからがコミュニケーションをする姿にこそ

子どもたちは関心と興味を抱くのだ、という素晴らしい結びでこの解説は終えられています。


熟読すべき素晴らしい内容の解説です。吉田教授に感謝をささげたいと思います。

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ベネッセ教育総合研究所
第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)
http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/syo_eigo/2010/index.html

解説・提言1 小学校教員の意識の変化
http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/syo_eigo/2010/pdf/data_01.pdf
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2014年3月23日 カテゴリ:小学校英語活動 

第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)【その2】

ベネッセ教育総合研究所が2010年に行った

「第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)」のレポート、

第二回目です。


今日は、解説・提言のその1、上智大学教授吉田研作先生の解説です。

吉田教授は、もうここであらためて申し上げるまでもなく、

日本における子ども英語教育に関する第一人者で、

著作や政府関連の委員などで長く幅広く活躍していらっしゃいます。


吉田教授は、現在(調査当時の2010年)どのように

小学校英語(外国語活動)が行われているのかという

実態を表す調査結果数字の解説から説き起こしていらっしゃいます。

このなかで、第一回調査の2006年に比べて

「中心となる指導者も「外国語指導助手(ALT、AETなど)」から

「学級担任」へと移っていることがわかる)。

この4年間で、学級担任がかなり積極的に

英語活動にかかわるようになってきたことがよくわかる」

と指導主体の変化について解説していらっしゃいます。

これは、2011年の全国的な外国語活動導入の義務化を控えた前年に

調査が行われたため、

それ以前の数年間で小学校の教育現場で

着実にそのための準備が行われたことを裏付けています。


しかしながら、そのような積み重ねを踏まえて

教師たちに今後への考えを聞いてみると、

「「今後小学校英語活動は誰が教えるべきか」という質問に対して、

教務主任、学級担任いずれも、およそ4人に1人が

「学級担任」と答え、およそ4人に3人までが「専科教員」

と答えている」と指摘しています。

つまり、学級担任たちは、国の方針に従って英語の指導を学び、実践してきて

それなりの結果は残したが、

やってみたからこそ、その専門性を、逆に際立って感じることにもなり、

今後は専門家が受け持つべきであると考えるに至った、

ということができるかもしれません。

学級担任がなんらかの形で英語教育にかかわり続けることは、

小学生と言う年齢から考えても今後も変わらないことでしょうが、

指導の中心となった役割を全ての担任教師たちが負えるかどうか、

となると少々厳しいということでしょうか。


また、全国で活躍しているALTの役割と今後については、

「発音について見本を示す」などの役割を果たしていることを評価していますが、

労働者派遣法との兼ね合いで、

「ALTの派遣業者に業務委託している場合」の問題点についても触れています。

これについては、吉田教授は詳細について述べていらっしゃいませんが、

おおよそ以下のような内容です。


ALTの派遣業者に業務委託している場合には、

学校に来て生徒たちに英語を教えるALTは

派遣業者に雇用された人間として、派遣業者の指示のもとで授業を行います。

この際、学校の担任教師が授業内容についてALTに対して指示すると、

派遣法に抵触してしまい法律違反となってしまいます。

つまり、この場合は、派遣業者がALTに指示した内容で授業が行われるのを

担任教師は「見ているだけ」でなければならないのです。

吉田教授が、

「(このような場合は)学級担任とのティーム・ティーチングはできないので、

外国語指導助手の活用方法が難しくなるだろう」

と述べていらっしゃるのはこのためです。

ティーム・ティーチングを担任教師とALTが行おうとすれば、

事前に打ち合わせを行い、担任教師の指導・指示のもとで

ALTは働かなければならなくなります。

これをやってしまうと、法律違反となってしまうのです。


この問題を回避するには、各自治体(教育委員会)が、

直接ALTを「雇用」しなければならず、派遣会社まかせに出来なくなります。

派遣であれば、短期間などの依頼も可能となりますが、

雇用となれば長期間の安定的な関係が必要となり、

当然のことながら雇用費用は派遣依頼に比べて大きな金額となります。

それを自治体が負担できる場合と負担できない場合が

全国的にみると様々に出てくることになるのです。

(つづく)


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ベネッセ教育総合研究所
第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)
http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/syo_eigo/2010/index.html

解説・提言1 小学校教員の意識の変化
http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/syo_eigo/2010/pdf/data_01.pdf
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2014年3月23日 カテゴリ:小学校英語活動 

第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)【その1】

少々旧聞に属する内容ですが、

小学校英語に関して、とても充実してかつ示唆に富んだ調査結果が

Web上に公開されているのでご紹介したいと思います。


ベネッセ教育総合研究所が2010年に行った

「第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)」の結果レポートです。

この調査は、第1回が2006年に行われ、教員調査と保護者調査とに分かれていたのですが、

今回は、文部科学省による全国の小学校英語教育(外国語活動)義務化(2011年)

の前年に行われた調査です。


本調査は、全国から無作為に抽出された8,000校にアンケートを送付し、

その中から約30%弱の解答を得て結果をまとめたもので、

・背景など
・解説と提言 4人
・調査結果
・分析
・資料
・付録

に分かれています。


本日は、この中から解説・提言の四人目、

実際に小学校で英語を教えている現場教師の

金子真理子先生による提言をご紹介しましょう。


金子先生はまず、外国語活動がほとんどの場合、

学級担任とALTとのティーム・ティーチングによって行われている、

という調査結果を紹介しています。

学校における外国語活動の指導者を訪ねる設問に対して、

90%以上の解答が学級担任とALTと答えているのです。

(解答は複数回答)

ALTは、「「発音について見本を示す」「児童と外国語を使って会話をする」

「自然な外国語の使い方の見本を示す」など、英語活動に不可欠な存在」

になっていることは事実ですが、といって学級担任の役割も大変大きく、

「初めて外国語を学習する子どもたちの不安を解消する心強い存在」

であると指摘します。

これは、小学生と言う年齢を考えれば当然と言えることで、

たとえ高学年とはいえども、子どもたちにとって「担任の先生」は、

昼間の時間帯の親代わりのような存在です。

担任教師は、クラスの児童一人一人の学力と性格を十分に把握して

日々の指導に当たっていますから、

この役割と実績を他の外部の人間がとってかわることは不可能でしょう。


しかし、自治体によっても異なりますが、

外国語活動全ての時間においてALTとのティーム・ティーチングを行うことが

できるわけではありません。

自治体の予算の関係で限られた時間しかALTが来校しないことも多いのです。

その際に担任教諭にとって「心強い味方」となっていたのが、

文部科学省が作成して全国の小学校に無料配布した「英語ノート1・2」です。

(2013年現在は、英語ノートを基礎にさらに発展させた"Hi, friends!1・2!"を使用)

英語ノートは、日本で初めて全国の小学校での英語教育が義務化される際に、

文科省が「指導指針」として作成した教材で、

我が国における小学校英語教育の初期段階に使用される教材としては

適切な内容と役割を持っていたと考えることができます。

金子先生もそのような英語ノートの実績を冷静に評価したうえで、

「学級担任は、「英語ノート」を教えるのではなく、

「英語ノート」で教えるという気持ちを持って、

授業展開を考えていかなければなりません」と述べています。


次に、教える側(教員)ではなく教わる側である子どもたちの変化についてです。

外国語活動によって子どもたちに良い変化はありましたか? 

という質問に対して、好意的な回答が前回調査よりも今回の方が増えていることを

金子先生は評価しています。

そして、その一方で英語塾や英会話スクールなどに通っている子どもたちと

そうでない生徒たちとの格差が生まれてきていることも指摘し、

これからは児童の実態に応じた工夫が必要となってくるであろう、と提言しています。


最後に、調査において、

「約70%の学級担任が「外国語(英語)活動は専門に指導する教員(専科教員)が

教えるのがよい」という考えを持っている」という結果を紹介していますが、

同時に担任だからこそ出来ることもあるということを強く訴えています。

英語教育(外国語活動)が、コミュニケーションの手段を教える科目である以上、

教える側の専門性はある程度求められるでしょうが、

既に述べた担任と学級生徒との深いつながりを考えれば

担任教諭の担うべき役割がなくなることはない、と言えるのではないでしょうか。


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ベネッセ教育総合研究所
第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)
http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/syo_eigo/2010/index.html

解説・提言3 「外国語活動」の導入を通して見えてくる学校現場―「自信がなくても授業を遂行できるしくみ」とは何か?
http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/syo_eigo/2010/pdf/data_04.pdf
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2014年3月22日 カテゴリ:小学校英語活動 
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